セルヒオラモス

セルヒオラモス選手

セルヒオラモス選手は、1986年3月30日にセビージャ、カマスに生まれました。幼少期は友人と共に近所の広場で木や石をゴールに見立ててサッカーをしていました。6歳でカマスのチームでプレーを始め、8歳で提携していたセビージャFCに入団しました。

2004年2月、デポルディーボ・ラ・コルーニャ戦でトップチームデビューを果たし、その年の9月には初得点を記録しました。2004-05シーズンには18歳ながら41試合に出場しました。セビージャのトップチームでは2シーズンプレーし、2005年夏にスペインの10代選手としては最高記録となる2700万ユーロ(約32億5200万円)の移籍金でレアル・マドリードに移籍しました。


 レアル・マドリードではフェルナンド・イエロ氏が着用していた背番号4を譲り受けました。2005-06シーズンには主にセンターバックでプレーしたが、2007年にペペなどが加入後は、右サイドバックでのプレーが増えました。2008年にはFIFAUEFAの両方の年間ベストイレブンに選ばれました。2009-10シーズンにはペペの負傷もあり、シーズンの大半をセンターバックとしてプレーしました。また、このシーズンにはクラブの第4キャプテンを務め、翌シーズンからは副キャプテンとなりました。2011–12シーズンにはチームの4シーズンぶりの優勝に貢献しました。2014−15シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグの決勝、アトレティコ・マドリード戦で、1点ビハインドの後半93分にコーナーキックからヘディングで得点し、チームを敗戦の危機から救いました。その後、チームは延長戦で勝利し、クラブ通算10度目となるチャンピオンズリーグ制覇に大きく貢献しました。ラモス選手は後に、この93分に得点したことにちなみ、背番号93番に変更することを示唆していました。しかし、スペインでは背番号は25番までとされているため、あくまでジョークであると考えられます。翌年からはイケル・カシージャスが移籍したのに伴い、キャプテンを務めました。また、チームは2015–16、2016–17シーズンと前人未到チャンピオンズリーグ3連覇という偉業を成し遂げ、セルヒオ・ラモス選手はキャプテンとして、チームに大きく貢献しました。


 代表面では、2005年3月26日、中国との親善試合でスペインA代表としてデビューしています。これは、過去55年での最年少記録でした。クラブでチームメイトのサルガド選手に代わって代表に定着すると、2006年FIFAW杯では右サイドバックのレギュラーを務めました。2008年、スペインのユーロ制覇に貢献すると、2010年FIFAW杯南アフリカ大会では、全ての試合に右サイドバックとして出場し、FIFA選出のベストイレブンに選出されました。UEFA EURO 2012予選では、スペイン代表70試合出場の最年少記録を達成し、本戦ではクラブ面でライバルであるジェラール・ピケ選手とセンターバックのコンビを組み、スペインの優勝に貢献しました。これで、スペインはEURO2008、W杯2010南アフリカ大会、EURO2012の三連覇を達成したことになります。EURO2016以降は、カシージャス選手がスタメンで出場することが少なくなったため、スペイン代表でもキャプテンを務めるようになります。UEFA EURO 2020予選のフェロー諸島戦で、通算122試合目の勝利となり、代表最多勝利数の世界記録を更新しました。また、2019年10月12日、ノルウェー戦で代表通算168試合目の出場を果たし、カシージャス氏の持つスペイン代表最多記録を更新しました。2020年9月6日のUEFAネーションズリーグ ウクライナ戦で、ブッフォン選手を超え、欧州最多となる178試合出場を達成しました。しかし、その後度重なる怪我や新型コロナウイルス陽性などの影響もあり、2021年に延期されたEURO2020本戦のメンバーから落選しました。


 ラモス選手は非常に熱い選手として知られています。2017年のアトレティコ・マドリードとの試合で相手選手に蹴られ、鼻を骨折した際に、試合後Twitterに自身が鼻から大量出血している写真とともに「このエンブレムとユニフォームのためなら、私は何度でも血を流せるだろう」と投稿しています。クラブへの忠誠が非常に厚い選手ですね。また、親友であったプエルタ選手が亡くなった後は、プエルタ選手が代表デビューした際に着用していた15番を代表で着用を続けています。また、EUROやワールドカップで優勝した際には、プエルタ選手の顔写真が印刷されたTシャツを着たり、メッセージを書いたりして優勝を祝っています。チームや親友への熱い気持ちが伝わってきます。


 今シーズンからは、レアル・マドリードを退団し、パリ・サンジェルマンへの移籍が発表されました。パリでは、かつてレアルでチームメイトであったディ・マリア選手やケイラー・ナバス選手、クラシコで激しい戦いを繰り広げたバルセロナに所属していたメッシ選手やネイマール選手とプレーすることになります。新たな「銀河系軍団」と呼ばれるパリ・サンジェルマンでのラモス選手のプレーに注目です。